はじめまして(ブログ開設のご挨拶)

当サイトにお越しいただきありがとうございます。

普段はごく普通のサラリーマン(IT企業でシステムエンジニア)をしながら、愛知県でピアノ演奏の録音・撮影・ライブ配信のサポートをしています。

このブログでは、ピアノ演奏の「録音・撮影」に関する情報を中心に、これまでの経験から皆様に役立つ情報を発信していこうと思っています。

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まず最初の投稿となる今回は、私がピアノの録音・撮影をサポートする事になった経緯と、現状どのような機材でどのようにして撮影しているかをご紹介します。

目次

ピアノ撮影をする事になった経緯

ピアノ演奏の撮影需要の高まり

2020年頃からの新型コロナウィルス流行により、大きな変化がありました。

特にピアノに関しては、ライブ配信やオンラインレッスンといったような、オンラインでの需要が急速に高まってきました。

そんな中、普段お手伝いしているピアノホールFでは、演奏の動画撮影のニーズが非常に多くなってきました。

各種コンクールが録音や動画での審査になり、コンクールへ応募するために個人で録音・撮影をして応募しなければいけない状況が増えてきたのです。

これまでであれば、コンクール会場のグランドピアノ(フルコンサートの場合が多い)を利用して、生演奏で審査する形式が一般的でした。

それが突然動画審査になった事により、個人でピアノ演奏を撮影するケースが急激に増えたのです。

この記事を書いている2022年5月時点ではだいぶ落ち着いてきましたが、一斉に動画審査となった当初は、各々のコンクール主催者側も手探りながら、なんとかコンクールを実現しようと試行錯誤していたと思います。

一方で参加者側の視点からすると、大きく2点の悩みどころがあったと思います。

1. 演奏環境の違い

動画審査では大小様々な難しい事情がありますが、まず問題になるのが「演奏環境の違い」です。

従来のオフラインのコンクールであれば、同じ会場で、同じ条件で、参加者が順番に演奏していました。当たり前ですが、参加者全員が平等に審査される仕組みです。

しかし、動画審査となってこの「平等性」が一変しました。

参加者がそれぞれ異なる環境で演奏し、審査員側も異なる環境で審査する必要が出てきたのです。

それぞれの参加者には、普段練習で利用しているピアノがあると思います。

一般的に、小さいピアノよりも大きいピアノの方がダイナミックで良い音を奏でることができます。アップライトピアノよりもグランドピアノ、その中でもフルコンサートサイズがいいとされます。

また、演奏する場所によっても音の響き方が全然変わってきます。大きなピアノであっても狭い空間ではピアノの十分な性能を引き出せません。音を十分に響かせられる空間が必要になってくるわけです。

しかしながら日本の家庭事情では、フルコンサートサイズのグランドピアノが置け、思う存分弾いて響かせられる部屋のある家庭はごく僅かです。

グランドピアノが置けずアップライトピアノで練習している方も大勢いますし、中には電子ピアノで練習せざるを得ない家庭もあると思います。

ここでコンクールの参加者は選択する事になります。「どの場所でどのピアノを演奏してコンクールに応募するか?」という、会場と楽器の選択です。

2. 録音・撮影の難易度の高さ

動画審査コンクールにおける参加者のもう一つの壁は、ピアノ演奏の録音・撮影です。

数ある楽器の中でも、ピアノは特に録音が難しい楽器と言われています。

ピアノは非常に小さく繊細な音から、迫力のあるダイナミックな音まで出ますし、音の立ち上がりから余韻・響かせ方まで余すことなくしっかりと録音しようとすると、非常に難易度が高くなります。

録音の難易度が高いにも関わらず、クラシカルなピアノのコンクールでは、上記のような「音楽表現」がしっかりできている事が評価に繋がります。

コンクール主催側も参加者に配慮し、応募要項には「スマートフォンやタブレットでの撮影でも差支え無い」「音質が悪くても審査への影響は無い」としているケースも多く見られました。

しかしながら審査員も人間です。審査時に聞こえる音・見える映像が全てなのです。実際の演奏はどんなに素晴らしかったとしても、応募された動画で汲み取れない「音楽表現」は、どうしても「表現されていない」事にならざるを得ません。

コンクールの参加者は、参加するからには良い結果を残したいはずです。しかし、普段から楽器演奏の録音をしてきていない大多数の人にとっては、どうしたらいいのか分からない状態だったと思います。

とりあえず手持ちのスマートフォンで撮っても、音割れしてしまったり、メリハリのない演奏になってしまったりして、結局うまくいかなかった経験をした人も多かったのではないのでしょうか。

ネットで検索すればいろいろと情報は出てきますが、手軽にできる方法は「本当にこれでいいのかな?」と決め手に欠けていて、さらに上を目指すには「マイクやカメラといった高価な機材を揃えてセッティングする必要がある」といった金銭面でも技術的面でも敷居の高い内容が多かったのではないかと思います。(実際に上を見るとキリがありません)

ピアノホールF 利用者の声

普段お手伝いしているピアノホールFには、スタインウェイのフルコンサートD-274が常設してあり、会場の響きも良く、リーズナブルに利用できる事もあって、多くの方がコンクール応募動画の撮影で利用するようになりました。

上で述べた1つ目の悩みどころを解消するにはうってつけの施設だったのです。

その一方で、録音・撮影については悩まれている方が非常に多く見られました。

そういった人たちの手助けになればと思い、2021年1月より録音・撮影のサポートを始める事となりました。

ピアノ撮影の方法(機材・スタイル)

録音・撮影のサポートを始めた当初はこちらも手探り状態でしたが、数多くの撮影をこなしていく中でかなり安定したスタイルが定着しました。

詳しくは別途記事を書く事にしますが、簡単に現在の撮影機材・スタイルを紹介したいと思います。

主な利用機材(2022年5月時点)

マイク

ピアノの演奏を収録するメインのマイクは、RODEのコンデンサーマイク「NT5(マッチドペア)」です。2本で1セット(ペア)として、ホール内で心地よくピアノの響きが伝わるポイントに設置して利用しています。

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また、人の声を収録するマイクとしてはRODEのワイヤレスマイク「Wireless GO」と、CUSTOMTRYのダイナミックマイク「CM-2000」を利用しています。

ミキサー

YAMAHAの「MG10XUF」を利用しています。マイクで収録した音をステレオでミックスして、パソコンやレコーダーに送っています。

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カメラ

Panasonicのデジタル一眼カメラ「LUMIX GH5M2」を利用しています。

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利用するレンズはその時によって異なりますが、コンクールの撮影では明るい単焦点レンズを付けて、手元とペダルが同時に映るように三脚で固定して利用します。

その他にも同じPanasonicのデジタル一眼カメラ「LUMIX GX7MK2」と「LUMIX GX7MK3」が1台ずつあります。

また、USB接続で利用できるWebカメラとしてLogicoolの「C922N」もあります。

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パソコン

HPのゲーミングノートパソコンを利用しています。スペックは以下の通り。

  • CPU:Core i7 10750H @ 2.60GHz
  • メモリ:16GB
  • GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti with Max-Q Design

ミキサーからの音声とカメラからの映像を取り込み、リアルタイムに録画しています。ソフトはOBS Studioを利用しています。

レコーダー

パソコンで動画を録画していますが、万が一パソコンでトラブルが起こった場合のために、音声のみミキサーから直接レコーダーでも録音しています。オリンパスのリニアPCMレコーダー「LS-11」を利用しています。

スイッチャー

コンクールの撮影ではあまり出番はありませんが、マルチカメラを切り替えながら撮影する場合に、Blackmagic Designの「ATEM Mini Extreme ISO」を利用しています。これを利用する場合は、リアルタイムにスイッチングしている映像とは別に、全カメラを同時収録して後で編集できるようにしています。

スピーカー

Edifierの「R1280DBs」を主に撮影内容の確認で利用しています。ピアノホールFでは基本的に電子楽器は利用しないので、演奏目的で利用するスピーカーはありません。

撮影スタイルについて

撮影目的によって最適な機材を組み合わせて、柔軟に対応しています。

これまでで特に多かったコンクール用の撮影では以下のような感じで撮影しています。

撮影の流れ
  1. 撮影する動画の利用目的と、撮影条件を確認
    • コンクールであれば応募要項に指定されている撮影条件を確認させて頂きます。
  2. 機材(マイク・ミキサー・カメラ・パソコン・レコーダー)を撮影条件に合わせてセッティング
  3. 演奏者に軽く練習してもらいながら、録音レベルを調整
    • 音割れしないボリュームで録音する必要があるので、必ず録音レベルの調整を行います。
  4. 演奏者のタイミングに合わせて演奏を撮影
    • 1テイク毎に合図をして撮影するケースが多いですが、中には撮りっぱなしにして後で切り出したいという方もいますので、そこは演奏者に合わせて対応します。
    • もし演奏の途中で失敗した場合は、そこで撮影を一旦止め、弾き直しをされる方が多いです。
  5. 撮影内容のご確認
    • 1テイク毎に確認する方もいれば、撮影内容の確認は一切せずに繰り返し弾き続ける方もいます。
  6. 撮影した動画のお渡し
    • 撮影した動画はその場で無編集でお渡しします。
    • お渡し前に、音割れ・音飛びが無いかの確認は行っています。
    • その場でお渡しできない場合(メディアを持参されていない場合)は、Google Drive経由でのお渡しになります。

それぞれの撮影シーンにおける具体的な内容は、順次わかりやすく当サイトに掲載していく予定です。

今回はここまで。それではまた!


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